サッカークラブの仕事~運営担当編~

クラブ,スポーツ業界

Jリーグなどのスポーツクラブで働くスタッフは普段どのような仕事をしているのか、皆さんイメージは湧きますでしょうか?
クラブのスタッフは試合がある日だけではなく、試合に向けての準備やパートナー獲得、広報活動、グッズ制作など、あらゆる仕事を毎日こなしています。
今回は、試合運営の統括・責任者として重要な役割を果たす運営担当の仕事について紹介します。

運営担当の仕事とは?

サッカークラブの運営担当の主な仕事は以下の通りです。

  • 試合当日に向けての各種準備・各所との連携
  • 試合(ホームゲーム)当日の全体統括
  • アウェイ試合への帯同

試合当日に向けての各種準備・各所との連携

サッカークラブの運営担当は、リーグや協会、クラブ内スタッフ、強化部、ボランティアスタッフ、警備スタッフなどありとあらゆる関係者と密に連携し、ホームゲームの安全かつ円滑な運営に向けて奮闘します。

試合運営がスムーズに行われないと、クラブのブランド価値や安全性・信頼性の低下にもつながり、非常に大きな緊張感・責任感が伴います。それらのリスクマネジメントを行いながら日々業務を行うのは中々のタフさが必要になりますが、その分得られる達成感・充実感は大きいでしょう。

【リーグ(Jリーグ・WEリーグなど)との連携】

試合自体を運営するのはホームクラブですが、そもそも全体を統括しているのはリーグ(Jリーグ・WEリーグなど)です。

リーグが決めた運営ルールや各種注意事項などを遵守することを前提で試合運営を行う必要があります。

また、各試合での試合記録・入場者数の共有や事故・トラブルの報告など、試合の前後においてリーグと密にやりとりを行います。

【アウェイチーム担当者との連携】

会場の各出入口や控室の場所確認、ユニフォームの色の協議などを対戦チームの運営担当者と連絡を取りながら進めます。ピッチ上では勝敗を争う両チームですが、ピッチの外ではお互いに協力しあうことが大切です。

運営担当者同士で仲良くなることもあるようです。

【フロントスタッフとの連携】

試合当日には、スタジアム内で様々なイベントが行われます。(スポンサー企業のブースやサンプリング、自治体と連携したイベント、クラブ発の催し物・ゲストによるイベントなどなど)

これらのイベントは、担当する部署(マーケティング部・営業部など)が基本的に管理・段取りを行いますが、試合全体を統括するのは運営担当の仕事なので、これらすべての情報を集約するのも役割の一つです。

いつ・どこで・だれが・なにを・どのように行うのか、前にも述べた『安全な試合運営』を前提に最適な方法を考え、準備します。

時には、各スタッフからの要望すべてに応えられない場合もあるでしょう。試合では開門から試合終了・閉門まで時間が限られているので、その中でできる範囲で物事を考える必要があります。

常に試合や会場全体を俯瞰し、各スタッフと適切なコミュニケーションを取ることも運営担当の重要な仕事の一つです。

【強化部や選手との連携】

選手が稼働する必要のあるイベント(試合日以外も含め)の調整を行う場合があります。

アウェイの試合に帯同もするので、現場との円滑なコミュニケーションや信頼関係の構築は不可欠です。

【審判との連携】

基本的に、審判が必要な各種用具はホームチーム側が準備します。(フラッグ、ウェア、タオル、交代ボードなど)

【試合運営に関わる各種スタッフとの連携】

スタジアムに訪れたことがある皆さんならお分かりかと思いますが、試合を開催するには、フロントスタッフ以外に数多くの人々の協力が不可欠です。

多くの協力者の皆さんに共通認識を持ってもらい、安心安全な試合運営を遂行させるのも、運営担当の大きな仕事になります。

試合運営に関わる方々は主に以下の通りです。

  • ボランティアスタッフ
    • 入退場ゲート担当、チケットセンター担当、各ブースでの接客、スタジアム内の清掃、荷物の運搬・・・etc
  • 警備スタッフ
    • スタジアム内のセキュリティ管理・警備など
  • スタジアム演出スタッフ
    • 選手入退場含む電光掲示板や音響の統括・演出・ナレーションなど
  • 飲食・グッズ売店スタッフ
    • スタジアム内、場外で販売する各飲食・グッズ売店
  • 審判・ボールパーソン

試合を盛り上げるというところまで含めると、各イベントの出演者、チアリーダー、放送事業者など、他にも数多くの方々が携わります。

試合(ホームゲーム)当日の全体統括

いよいよ試合当日。ほかのスタッフもそうですが、キックオフの何時間も前からスタジアム入りし、安心安全な運営に向けて様々な準備を行います。

【キックオフ前】

まずは開門に向けて、各所が準備を完了できているか確認します。場合によっては開門時間を遅らせるなどのイレギュラー対応も必要になります。

その他、スタジアム全体において何かトラブルがあった際や、緊急対応が必要になった際の現場判断が運営担当者に求められます。

【キックオフ直前】

選手入場の際、タイムスケジュール通りに進めらるよう、両チームの選手たちを誘導します。

試合運営では1分単位ではなく1秒単位で物事が進められていくため、厳格な時間管理が必要になってきます。

また、キックオフ直前に記念セレモニーなどのイベントがある際は、ピッチレベルで関係者を誘導したりすることもあります。なので、運営担当者はDAZNなど中継によく映りこみます(余談ですが)

【キックオフ後~試合終了】

キックオフ後から試合終了までは、ピッチのすぐ外(両チームベンチの間のあたり)からピッチ・観客席(特に観客の動き・状態)を観察します。不審な人物や怪しいものがあった際は、近くの警備スタッフと連携し、対処します。

通常とは異なることが起きた際の対応やあらゆることへの気づきが必要になってくる仕事なので、『危機察知能力』『判断力』が求められます。

【試合終了後】

試合が終わった後は、選手がサポーターに挨拶する際の誘導を行ったりもします。

アウェイ試合への帯同

運営担当スタッフは、アウェイの試合に帯同します。

ホームチームの運営担当者はもちろんのこと、応援に駆け付けた自チームのサポーターともコミュニケーションを取ります。運営担当のほかにも、広報担当もアウェイの試合に帯同することがほとんどです。

まとめ

以上、運営担当の仕事についてご紹介しました。

関わる人が社内外に多く、気を配るべきこともたくさんあり中々タフな仕事ではありますが、試合を安心安全に開催するために欠かせない役割です。観客側からすれば安心安全な運営は当たり前のことですが、その当たり前を作り出すために運営担当をはじめとする様々なスタッフが日々準備を行っています。

スタッフの密着動画を出しているクラブもありますので、運営の仕事に興味が出てきた方・より詳しく知りたい方は是非チェックしてみてください。