サッカークラブの仕事~営業担当編~

Jリーグなどのスポーツクラブで働くスタッフは普段どのような仕事をしているのか、皆さんイメージは湧きますでしょうか?
クラブのスタッフは試合がある日だけではなく、試合に向けての準備やパートナー獲得、広報活動、グッズ制作など、あらゆる仕事を毎日こなしています。
今回はその中でも、クラブのパートナー(スポンサー・協賛)の獲得や各パートナーとのコミュニケーションを担当する営業の仕事について紹介します。
営業担当の仕事とは?
サッカークラブの営業担当の主な仕事は以下の通りです。
- 新規パートナー獲得のための営業活動
- 既存パートナーへの継続および金額増額交渉/定期的なコミュニケーション
- パートナー権益を活用した各施策の立案・実行
- 試合当日)パートナー・VIP・来賓対応
- 試合当日)パートナー権益を活用した関連イベントの対応
新規パートナー獲得のための営業活動
サッカークラブの収益の柱として、『パートナー収入』『チケット収入』『放映権等の収入』の3つの柱があると言われており、中でもパートナー収入は金額的にもとても重要な位置付けになります。
毎年継続してくれる企業ばかりではなく、金額の減額や撤退の可能性もあるため、新規パートナーを獲得することは常に重要になります。
そのため、営業担当はシーズン開始前からシーズン中・シーズン終了後と、ホームタウンを中心に各地を駆け回り、パートナー獲得に努めます。営業資料や企画資料などをもとに商談を行い、クラブのパートナーになることのメリット・できることを提案していきます。
既存パートナーへの継続および増額交渉/定期的なコミュニケーション
新しくパートナーになってくれたからといって、そこで終わりではありません。
この先何年も継続してもらうべく、常にメリットを提示し続け、クラブとパートナー企業の友好的な関係を構築しなければなりません。
1年間の活動報告や実績、関連イベントの振り返りを行い、来シーズンに向けての新たな提案や増額交渉などを行います。
企業側が満足のいく効果が実感出来ていれば、「もっとランクの高いパートナーになってみよう」「新しいことをやってみよう」と考えるはずで、今以上の成果を期待し前のめりな気持ちになるはずです。
パートナー権益を活用した各施策の立案・実行
企業や団体がクラブのパートナーになった場合、様々なメリットが得られます。
▼主なメリット・権利
- クラブパートナーとしての呼称権利
- 例:○○(企業)は△△(クラブ)の◇◇パートナーです
- 例:○○(企業)は△△(クラブ)を応援しています
- クラブロゴの使用権利
- ホームゲームでのブース出展やイベント・サンプリング実施の権利
- ユニフォーム・トレーニングウェア等への企業名・ロゴ掲出
- スタジアム内看板の掲出
- 冠マッチの開催
- 社内外イベントへの選手・マスコット・チアリーダーの派遣
※権利や内容はクラブやランク(金額)によって大きく異なります
こうしたメリットをしっかりと企業・団体に還元し、契約時に決めた実施内容を遂行・管理するのも営業担当の大きな役割です。
最近では、企業名の露出だけではなく、様々なアクティベーションを通じて企業・団体のブランディング・マーケティング活動を行うことが求められており、他部署とも連携しながらどのようにして最大の価値を提供できるか考えていく必要があります。
試合当日)パートナー・VIP・来賓対応
試合日(ホームゲーム)では、会場に訪れたパートナー各社の対応を行います。
場合によっては、スタジアムの入口から座席までのアテンドも行います。クラブによっては、来賓ルームやコミュニケーションスペースを設けているところもあります。クラブの担当者と企業担当者のコミュニケーションの場にもなりますし、パートナー企業同士の交流機会も創出できます。
また、ほかにも来賓の方や各関係者のアテンドを行う場合もあります。
試合当日)パートナー関連イベントの対応
上述の通り、ホームゲーム当日にはパートナー企業がブースを出展したり、サンプリングを行ったり、冠マッチを行ったりします。これらの管理や準備を営業担当が行います。試合運営全体に関わってくることなので、運営担当やイベント・プロモーション担当など、各所と連携して進めます。
営業担当にはどんな能力が求められる?
ここまで、サッカークラブの営業担当の仕事をご紹介してきました。では、実際にこうした仕事をこなしていくにはどんな能力が必要なのでしょうか?
コミュニケーション能力
これは社会人である以上当たり前かもしれませんが、特に重要なスキルだと思います。
企業側がどのようなことをクラブに期待しているのか、どのようなことを実現したいのか、しっかり汲み取りそれに応えていく必要があります。
クラブは『パートナーになってもらう側』、企業は『パートナーになる側』
このような考えではうまくはいきません。あくまでもビジネスパートナーとして対等な関係であることを忘れず、お互いにとってまたはクラブ全体・地域・ファンサポーターにとって利益を生み出すことが理想です。
このようなことを実現していくには、営業担当が企業だけでなくクラブ内のあらゆる部署と連携しなければなりません。
提案力・交渉力
クラブチームのパートナーになることの価値は、数字だけでは語れないことも多いです。
例えば、WEBサイトのバナー広告は、出稿費用に対して表示回数・クリック数・クリック率・コンバージョン率などが具体的に数値として現れ、費用対効果も明確にわかります。
一方でクラブチームの場合、『スタジアム内の看板やユニフォームに記載されているロゴが年間で何人の目に触れ、そこから企業の認知度がどのくらい上がったのか』といったことは、概算ではわかったとしても具体的に広告価値や費用対効果を計算することは難しいです。
このように、数字だけでは語れない魅力や価値をいかに理解してもらえるか・説明できるかは営業担当の腕の見せ所と言えるでしょう。
まとめ
ここまで、サッカークラブの営業担当の仕事についてご紹介しました。
クラブの経営を支えるパートナー収入の増減に大きく関わるので、重要かつ責任感が大きいのが営業の仕事です。
チームの成績次第では、新規獲得が上手くいかなかったり、既存企業が撤退したりと、上手くいかないこともあるかと思います。
その分、新たにパートナー企業を獲得できたり、その企業が事業で成果を上げたりした際には、大きなやりがいと達成感を感じられますし、そこにコミットできると感じた方は営業の仕事が向いているでしょう。
クラブでの営業に興味があるという方は是非チャレンジしてみてください。
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